【シンガポール】食品開発NHP、海外初拠点を来年開設[食品]

加水分解技術を活用した食品開発を手がける日本ハイドロパウテック(NHP、新潟県長岡市)は来年、シンガポールに拠点を開設する。同社にとって初の海外拠点となる。アレルギー物質を含まないチョコレートなど自社ブランド商品を企業間取引(BtoB)、企業・消費者間取引(BtoC)の両方で展開する。

来年3月に現地法人ハイドロパウテック・シンガポールを開設。現法に併設する店舗も同時にオープンする。株式の過半数は日本ハイドロパウテックが取得し、残りは現地資本や投資家などで構成される予定だ。

現法では、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を含まずプラントベース(植物由来)の原料を使ったチョコレートや高耐熱性チョコレート、加水分解物(コメなどを原料とし乳化剤や増粘剤など多様な目的に合わせて活用できる素材)の業務用販売を行う。

店舗では、消費者向けにアレルゲンフリーでプラントベースのチョコレートを販売する。同チョコレートは日本法人では販売していない。

日本ハイドロパウテックは、独自開発したカカオマス、チョコレート製造技法や加水分解技術を持つ。同社の代表取締役である熊澤正純氏はNNAに対し、「ビーガン(完全菜食主義者)向けやイスラム教の戒律『ハラル』対応を含めたプラントベース、アレルゲンフリーの日本市場は小さい。人やモノが交流するシンガポールで、その真価、市場性を問うことが拠点設立の理由だ」と説明した。

1日にはシリーズB(事業を拡大させる段階の資金調達)で約5億1,000万円の資金調達を実施したと発表。調達した資金はシンガポール拠点の開設や、日本での食品開発事業の強化などに充てる。

このほか業務提携先である食品開発・加工のタケショー(新潟市)と5月、ベトナムで他社や教育機関も交えてカカオポッドの土壌改良剤に関する共同研究を開始した。熊澤氏によると、日本ハイドロパウテックがタケショーのベトナム現法に製造を委託することなども可能という。

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