中学生に通学自転車 2024年度から 希望者に無償貸与 茨城・かすみがうら市

定例記者会見で中学生への自転車無償貸与事業を発表するかすみがうら市の宮嶋謙市長=同市役所

茨城県かすみがうら市は、市立中学生の希望者に通学用自転車を無償貸与する事業を来年度から始める。保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、自転車を乗り継いでいくことで物を大切にする心の育成も図るとしている。市は5日開会した市議会第3回定例会に、貸与事業の準備費用を含めた予算案を提出した。

市内には、霞ケ浦、下稲吉の2中学校と千代田義務教育学校の計3校に中学生が通う。来年度入学予定の小学6年生を含め、3校に自転車通学する全ての生徒を貸与の対象とする。

車両は変速機付きの軽快車、導入台数は170台を想定する。費用は1台当たり月額1650円、2024~29年度の6年間で約2千万円を見込む。

市は本年度から、通学用自転車の購入補助制度を開始し、購入額の半額(上限3万円)を助成。この助成により既に自転車を持っている在学生は、貸与の対象外とした。貸与を受けず、自ら別の自転車を購入するのも可能としている。

貸与した自転車は卒業時に返却してもらい、整備して別の生徒に貸し出す。市は今後、業者と保守管理を含めたリース契約を結ぶ。

霞ケ浦中ではスクールバスを使った通学が無料となっており、市は「自転車通学者との不公平感の解消にもつながる」としている。

8月31日の定例記者会見で宮嶋謙市長は「教育インフラの一つとして決断した。自転車をシェアし乗り継ぐことで、公共心と物を大切にする心を育てたい」と話した。

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