安産のお守りに「貫通石」 妊婦に配布 茨城・桜川市

安産のお守りとして配布される「貫通石」=桜川市岩瀬

茨城県石岡市上曽と同県桜川市真壁町山尾をつなぐ「上曽トンネル(仮称)」の工事で、貫通地点から掘り出された石を安産のお守りにしてもらおうと、桜川市は「貫通石」と称して出産を控える市民に無料配布している。

配布される石は約1~3センチ大の花こう岩。8月29日から同市役所岩瀬庁舎の健康推進課で150個を用意し、母子手帳を持つ市民は好みの石を選べる。先着順で受け付け、なくなり次第終了する。

枕元に石を置いて無事に子どもを産んだという神功皇后にまつわる伝説などから、安産のお守りとして尊ばれてきた。「初志貫徹」「難関突破」の意味で受験生のお守りとしても人気だという。

出産前の面談で訪れた市内の医療従事者、稲葉七瀬さん(39)は、傍らの見本と見比べながら、楽しそうにお気に入りの石を選んでいた。「昔からの安産のお守りと聞いて大事に持っておきたいと思った。帰郷の時や病院にも持って行きたい」と笑顔を見せた。

斉藤育子課長は「桜川市ならではの妊婦への新たなサポート。安心してお産を迎えてほしい」と話した。

© 株式会社茨城新聞社