栃木県内大雨で床下浸水、道路冠水など被害 那須烏山の住宅敷地内に土砂

ため池脇の歩道の一部が崩落した現場=6日午後7時30分、那須烏山市南大和久

 栃木県内は6日、暖かく湿った空気の影響で大気の状態が不安定となり、大雨に見舞われた。宇都宮地方気象台によると、宇都宮や高根沢では1時間降水量が50ミリを超える非常に激しい雨となった。宇都宮市は一部地域に避難指示を発令。床下浸水や道路冠水などのほか、那須烏山市では斜面が崩れて住宅の敷地内に土砂が流れ込む被害もあった。

 この日の1時間降水量は宇都宮57.5ミリ、高根沢51ミリ、那須烏山43.5ミリを観測。那須高原や大田原、足利では、30ミリ近くの強い雨となった。

 土砂災害の危険性が高まったとして、午後4時28分に河内、平石、清原の3地区に避難指示が出た宇都宮市では各地で被害が相次いだ。同市によると、午後9時現在、床下浸水が3棟であったほか、道路冠水は35カ所でうち20カ所で通行止めとなった。軽乗用車1台が浸水する被害もあった。

 那須烏山市上境では、住宅近くの斜面が崩れ、敷地内に止まっていた乗用車2台がタイヤ付近まで土砂で埋まった。住人の男性(67)は「午後3時半ごろ、帰宅して間もなくドーンという音を聞いた」と振り返り「もう少しずれていたら、母屋に土砂がきていた」と話した。同市南大和久では、ため池脇の歩道の一部が崩れる被害もあった。

 鉄道にも影響があり、JR烏山線は午後2時50分ごろ、宝積寺-烏山駅間の上下線で運転を見合わせた。終電まで運転を取りやめ、バスによる代替輸送を実施した。

 県によると、宇都宮市や那須烏山市、高根沢町で避難所が開設された。

土砂が流れ込んだ住宅のカーポート。乗用車のタイヤ付近まで土砂で埋まった=6日午後5時50分、那須烏山市上境(画像は一部加工しています)

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