バイエルン首脳陣、ケインよりライスを望むトゥヘル監督に困惑していた?

写真:トゥヘルの本命はケインではなくライスだった?

バイエルンの首脳陣が、夏の移籍市場でトーマス・トゥヘル監督が見せた「常軌を逸した言動」に不満を募らせているという。イギリス『デイリーメール』電子版が伝えている。

バイエルンは今夏、トッテナムからイングランド代表FWハリー・ケインを9500万ポンド(約175億8190万円)以上とされる移籍金で獲得するなど、5選手と契約を結んだ。

移籍交渉を主導したクラブの首脳陣はケインの獲得を最優先事項と考え、このオペレーションに尽力したが、その間トゥヘルは「6番」のポジションの選手の獲得を繰り返しクラブに求め、ウェストハムに所属していたイングランド代表MFデクラン・ライスにオファーを送るよう進言したという。

ライスは最終的に総額1億500万ポンド(約194億2740万円)という英国人史上最高額の移籍金でアーセナルに移籍した。ケインよりも高額の取引だったことを考えると、バイエルンがライスを獲得できる見込みはほぼなかったと言えるだろう。

ケイン獲得決定後もトゥヘル監督は「6番」の選手を求め続けたため、クラブはフラムのポルトガル代表MFジョアン・パリーニャの獲得に乗り出すことに。しかし、バイエルンが4700万ポンド(約 86億9020万円)を提示したのに対してフラムは9000万ポンド(約 166億4080万円)を要求したため、大きな金額の開きを折衝しなければならなかった。また、フラムがパリーニャの代役を見つけられなかったことや、ドイツのほうがイングランドより先に窓口が閉まったことも相まって、パリーニャ自身のメディカルチェックやバイエルンのユニフォームを着た写真撮影まで行ったにもかかわらず、移籍は実現しなかった。

こうした事情もあってか、トゥヘル監督はブンデスリーガ第3節でボルシアMGに2-1の勝利を収めた後、「我々の陣容は少しばかりか細く、小さい。4バックを担うためにトレーニングされた守備的なプレーヤーが6人いる。これはパーフェクトだ」と皮肉めいた発言をし、バイエルンの首脳陣をさらに困惑させた。

守備陣に関しては、クラブ側が獲得を承認しなかったにもかかわらずチェルシー時代の教え子であるイングランド人DFトレヴォ・チャロバーと連絡を取って移籍を呼び掛けたり、昨シーズン後半戦にマンチェスター・シティからの期限付き移籍で加入していたジョアン・カンセロの再契約に一度は同意しながらコーチングスタッフとの相談の末に翻意したりと、トゥヘル監督の言動はバイエルン首脳陣を困らせてばかりだったという。

ブンデスリーガで開幕3連勝と結果を残しているトゥヘル監督だが、クラブとの間にはわだかまりを抱えたまま戦うことになりそうだ。

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