「宝塚カレーグランプリ」、園田学園女子大が初V 播州百日どり×発酵食品、兵庫の特産にこだわり考案

グランプリに輝いた「百日どりに恋した発酵カレー」と考案した園田学園女子大の学生ら=尼崎市南塚口町7

 兵庫・大阪の9大学の学生がテイクアウト用のオリジナルカレーを考案し、売り上げを競った「宝塚カレーグランプリ2023」で、園田学園女子大(兵庫県尼崎市南塚口町7)の「百日どりに恋した発酵カレー」が初のグランプリに輝いた。兵庫の特産にこだわって生産者やメーカーとやりとりを重ね、3度目の挑戦でつかんだ頂点に、学生らは顔をほころばせた。(広畑千春)

 グランプリは8月23~28日に宝塚阪急(宝塚市栄町2)で開かれた。3年目の今年は参加校数も過去最多となり、売り上げも倍になったという。

 「百日どりに-」の原案を考えたのは人間健康学部食物栄養学科4年の岡原舞羽さん(22)=西脇市。「地元のおいしいものを知ってほしかった」とJAみのりを通じて「播州百日どり」の手羽元6千本を仕入れた。素材のうまみを引き出しながら健康にも良いものをと、卒論テーマに選んだ「発酵」をキーワードにした。塩こうじとヨーグルト、しょうゆ、甘酒を混ぜて鶏肉を一晩漬け込み、漬けだれもルーに加えた。

 ルーの味は全国各地の十数種類のレトルトカレーを食べ比べ、トマトバターベースを選択した。コクを加えるためチーズを追加。百貨店という売り場を考慮し、保護者らが子ども用に買えるよう辛さも控えめでマイルドな味にした。多可町のメーカーと試作を繰り返し、完成したのは締め切りの1週間前だった。

 パッケージは2種類作製。一つはOEM(相手先ブランドによる生産)の手法を学ぶため経営学部ビジネス学科の1年生が担当し、店頭でも「高級感がある」と好評だったという。

 「ぎりぎりまで味にこだわった。不安もあったけど多くの人が店頭で立ち止まってくれた」と食物栄養学科1年の岡本茅幸(ちさき)さん(18)=加古川市。小学校の栄養教諭を目指している岡原さんは「仕入れ先やメーカーの人も含めみんなで作り上げられた。この経験を今後の仕事にもつなげたい」と充実感を漂わせた。

 各大学のカレーの一部は、10月ごろから宝塚阪急の食品売り場で販売する予定という。

© 株式会社神戸新聞社