乗り合いタクシーの実験開始 「交通弱者の助けに」 11月末まで2路線運行 佐世保・日宇

社会実験が始まった乗り合いタクシー=佐世保市日宇町

 佐世保市は4日、日宇地区で定期運行型乗り合いタクシー「すずかけ」の社会実験を始めた。公共交通機関が走っていない場所も多い「交通不便地区」となっており、乗り合いタクシーの導入で利便性を向上したい考え。社会実験は11月末まで行い、利用状況などを踏まえて本格運行するかどうかを判断する。
 日宇地区自治協議会の川上眞毅会長らによると、地区内には道幅が狭く公共交通機関が通っていない場所があり、買い物や病院に行く時の移動手段が課題となっている。2019年度に実施した社会実験では、利用者数が本格運行の基準に達しなかった。
 出発式が日宇地区コミュニティセンターであり、住民ら約20人が出席。地区内の東大和町公民館の片渕雅夫館長は「本格運行されれば交通弱者の住民は助かり、安心感が高まる。本格導入を目指したい」と語った。運行は同市の国際タクシーに委託。運転手に花束が贈られ、第1便が出発した。
 「すずかけ」は「日宇支所前」を発着点に大和町を時計回りに走る循環ルートと、「日宇支所前」と「黒髪バス停」を往復するルートがある。運行は月曜―金曜(土日祝日は運休)で、運賃は1人310円(小学生以下は160円)。

© 株式会社長崎新聞社