LRT開業11日間 利用者計15万4000人 予想上回るペースに

 次世代型路面電車(LRT)の宇都宮芳賀ライトレール線を運行する宇都宮ライトレールは6日、開業から5日までの11日間で計15万4千人の利用があったと発表した。1日当たり1万4千人で、開業1年目の需要予測を4千人上回った。特に土曜を含む休日の利用が多く、沿線でイベントが重なった3日は最多2万人が利用した。同社は「計画値以上の利用があってありがたい」としている。

 乗客数は乳幼児を除き、運賃を収受した人数で集計した。1年目の需要予測と比較すると、平日が1万2800人に対して平均1万2429人、休日は4400人に対して約4倍の平均1万6750人が利用した。

 平日最多は1日の1万5千人。芳賀工業団地に研究・開発拠点を置くホンダが同日に企業バスを廃止し、LRTに切り替えた従業員が一定数いたとみられる。

 最多2万人が利用した3日は、芳賀・高根沢工業団地内で「HONDA祭り」、沿線にある県グリーンスタジアムでサッカーJ2栃木SCのホーム試合がそれぞれ開催され、利用者数が伸びたと推測される。

 発着点以外では、乗り継ぎ拠点となるトランジットセンターの停留場での乗降が目立った。大型複合商業施設が近くにある「宇都宮大学陽東キャンパス停留場」は買い物の家族連れらの利用、「清原工業団地センター前停留場」は路線バスなどへの乗り継ぎやLRT利用者向け駐車場の需要があったためとみられる。

 降車時の両替など現金払いの乗客への対応で、利用者数が増加する時間帯でダイヤの遅れは続いている。「totra(トトラ)」以外の交通系ICカードが使えることを知らずに現金払いする乗客や、スマートフォンアプリ「モバイルスイカ」をICカードリーダーにかざす際のタッチミスで精算できないケースなどもあったという。

 同社は引き続きICカードの利用を呼びかけている。

開業したLRT

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