【シンガポール】ゼングループ、現地でのライブコマース支援[商業]

越境電子商取引(EC)の支援サービスを手がけるゼングループ(ZenGroup、大阪市)は、シンガポールの消費者向けに越境型ライブコマースを展開する日本の小売業者などを総合的に支援するサービスを提供する。同社が海外の特定の市場向けに同様のサービスを提供するのは初めて。シンガポールで日本の商品を手軽に購入できる仕組み作りを後押しする。

ライブ配信で商品を販売するライブコマースは、テレビショッピングのような臨場感があり、短時間で売り上げ増が期待できる。ゼングループは海外向けプロモーション支援サービスを手がける事業部門ゼンプロモを通じ、今月中にシンガポールの消費者に向けた越境型ライブコマースの支援サービスの提供を開始する。

具体的には、海外進出のコンサルテーションからライブ配信、輸出、販売後のアフターサービスまでをワンストップで支援する。参加する事業者は、ライブ実施から現地配送まで日本語だけで完結できる。

ゼングループは、日本の商品を海外に向けて販売する越境ECモール「ゼンプラス」を展開。商工会議所や銀行とも業務提携している。モールの出店者や商工会の会員企業、銀行の顧客がシンガポール市場向けにライブコマースを実施するのを支援する。

「将来越境ECで販売したい」「海外でどんな商品が売れるのか知りたい」といった企業向けにライブコマースの導入支援も行う。日本とシンガポールを結ぶ販売チャネルを提供することで、日本の小売業者と現地消費者の双方に有益な仕組みの構築を目指す。

ゼングループの広報担当者はNNAに対し、「既に越境ライブコマースが浸透していることが(シンガポールをサービス提供先に選んだ)理由だ」と説明。現地では日系小売店などで日本製の安価な商品が手に入るようになってきているが、日本の本当に良い商品は手に入りにくいため、支援サービスを展開すると付け加えた。

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