棒振りに初の女性 金沢・東蚊爪町獅子保存会 23日、秋祭りで披露

練習を重ねる(右から)辻野さん、田中さん、小川さん=金沢市の東蚊爪町会館

  ●辻野さん(浅野川中3)田中さん、小川さん(大浦小1)

 金沢市東蚊爪町で23日に行われる秋祭り(北國新聞社後援)で、約70年続く獅子舞の棒振り役を初めて小中学生の女子3人が務める。少子高齢化で担い手が減る中、伝統芸能を継承しようと、地元保存会が校下内で参加を募った。少女たちは本番に向け毎日練習を重ねており、住民たちは4年ぶりの秋祭りで披露される新しい獅子舞を心待ちにしている。

 3人は浅野川中3年の辻野神楽さん(15)、ともに大浦小1年の田中伶実さん(6)、小川凜花さん(7)。

 東蚊爪町獅子保存会の辻野信一会長(67)によると、町の獅子舞は少なくとも昭和初期から続いているが、これまでは小学1年生と中高生の男子が演じ手を務めるのが慣習で、女子が参加することはなかった。

 秋祭りでは獅子頭やなぎなた、太刀を持った男衆が町内を練り歩きながら要所要所で歩を止め、約50カ所で勇ましい掛け声を上げて演舞を披露する。3人は幼い頃から演舞を見ていたことから「やってみたい」と手を挙げたという。

 練習は祭り本番の1カ月前から開始。毎日1時間~1時間半の練習に励んでいる。辻野さんは陸上部で棒高跳びをしており「高跳びの棒の方が長いので、扱いやすい」と自信満々。小学生の2人も鉄棒が得意なスポーツ少女で、辻野会長も「のみ込みが早い」と3人の舞に太鼓判を押す。

 獅子舞には、小学1年の2人と中高生9人の男子も参加し、4年ぶりの祭りを盛り上げる。辻野さんは「男の人に負けない演舞をしたい」、田中さんは「精いっぱい頑張りたい」、小川さんは「楽しく踊りたい」とそれぞれ意気込んだ。

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