小矢部市で創業した石黒建設(本社・福井市)は、16~24日にセルビアで開かれるレスリング世界選手権に出場する石黒峻士(たかし)選手(26)=新日本プロレス、東京=と弟の隼士(はやと)選手(24)=自衛隊、同=の応援に力を入れている。2人は創業者石黒兵太郎の末裔で、小矢部市芹川の小矢部オフィスと福井市の本社に懸垂幕が掲げられた。同社の創業130周年も重なり、「ふるさと」からエールを送る。
2人は創業者の孫庸五郎(ようごろう)の孫に当たる。石黒家のルーツは源平俱利伽羅合戦で木曽義仲を先導した武将石黒太郎光弘で、福光城や木舟城を築いたとされる。
こうした経緯から、同社は小矢部オフィスに石黒兄弟の名前や「祈る必勝」の一言を記した懸垂幕を飾った。オフィスには小矢部営業所とグループ会社の石黒工建が入居する。
6月16日に都内で開かれた明治杯全日本選抜選手権で、峻士選手は男子フリースタイル97キロ級、隼士選手は同86級で優勝し、世界選手権の切符をつかんだ。選手権の結果は来年のパリ五輪の選考材料となり、2人は「兄弟で世界に行けるのがすごくうれしい。五輪代表も決めたい」と意気込んでいる。
石黒建設の齊藤博会長は「郷土に錦を飾るためベストを尽くしてほしい。2人そろって3位以内に入り、来年のパリ五輪で大活躍してもらいたい」と話した。