菊の花で邪気を払う重陽(ちょうよう)の節句(9日)を前に、寒河江市で食用菊のわせ種「紅もって」の収穫が始まっている。生産農家は花を散らさないよう、気温の低い早朝5時から丁寧に摘み取っている。
同市高屋の農業氏家理香さん(63)は開花時期の異なる計4種の食用菊を栽培し、先月末から紅もっての収穫を始めた。計約20アール、2棟のビニールハウスには赤紫の花が咲き誇る。夏の猛暑の影響が心配されたが、遮光幕と適切な水管理で無事に開花した。収穫時期は平年と比べて約1週間遅いが、仕上がりは良好という。
氏家さんは「近年まれに見る暑さで管理に苦労したが、無事に秋の味覚を食卓に届けられる」と笑顔で話した。紅もっては今月下旬まで県内や東京に出荷される。