水不足、サトイモもか 山形・芋煮フェスの畑で成長望めず、他から調達へ

茎や葉が枯れるなど、水不足で生育に悪影響が出ているサトイモ畑=山形市落合町

 水不足で芋煮会の主役となるサトイモの生育不良による影響が懸念されている。山形市で17日に開かれる「日本一の芋煮会フェスティバル」で使うサトイモの畑でも葉が枯れたり、成長が止まるなどし、十分な収量が見込めない状態だ。例年と同じ約3万食分を提供するには3.2トン必要だが、畑を管理する農家は「掘ってみないと分からないが、大幅な収量減は間違いない」とお手上げ。足りない分は他の畑から調達する見通しという。

 フェスティバルで使うサトイモは5月に市総合スポーツセンター西側の畑(30アール)に苗6千株植えた。9日に収穫予定だが、7日現在、葉や茎に一部枯れが見られ、通常なら成人男性ほどのサイズに育つ背丈も、大きいもので1メートル程度にとどまっている。

 この畑を管理する「さといもや さとう農園」(同市)の佐藤卓弥社長は「7月下旬以降の日照りで成長が止まり、昼夜の気温差も少なく、芋の肥大化は期待できそうにない」と話す。市内の他の畑でも同様の状況で、「掘ってみないと分からないが、例年の5割になるか、7割になるか。大幅な収量減は間違いない」と語った。

 熱帯・亜熱帯を原産とするサトイモの順調な生育には、暑さと水分が重要で、7~8月は特に大きな成長を望める時季だ。今年の場合、「暑さ」は申し分ないが、問題なのは水分(雨)だ。気象庁によると、先月の市内の降水量は平年の4割弱の60.5ミリで、19~31日はゼロだった。

 佐藤社長は「水田での栽培であれば稲作と同じように水を張るため、問題ないが、畑では大規模な散水設備がなければ、日照りが続くと対処は不可能」と諦めの表情。「昨年は大豊作で喜んでいた。来年以降も、こうした異常気象が続くのではないかと心配になる」と話した。

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