「打楽器は失敗すればとんでもないことに」 ドラマ「のだめ」出演の海自・舞鶴音楽隊員

ティンパニーを奏でる中島さん(舞鶴市余部下・舞鶴音楽隊)

 軍艦マーチにクラシック、ジャズ、サンバ、歌謡曲。中島良太さん(38)は舞鶴市にある海上自衛隊舞鶴音楽隊のコンサートで披露されるさまざまなジャンルの曲に対応し、打楽器を自由自在に操る。ティンパニー、バスドラム、シンバル、ボンゴ、コンガなどでリズムを刻む。

 「打楽器は合奏の中で影響力がすごい。盛り上がった時に決まればかっこいいけど、失敗すればとんでもないことに。決まった時の充実感と責任感がある」と魅力を語る。

 神奈川県出身で中学、高校と吹奏楽部で打楽器に打ち込み、洗足学園音楽大(川崎市)に進学した。学生時代に音大を舞台にしたドラマ「のだめカンタービレ」に出演したこともある。卒業後に「音楽を職業にしたい」と海自に入隊。青森県の大湊音楽隊、防衛相直轄の東京音楽隊などに在籍した後、昨年3月、舞鶴に赴任して3等海曹として活躍する。

 舞鶴音楽隊の活動範囲は富山県から鳥取県。自衛隊の儀式や護衛艦の出港時に演奏し、式の格式を保ち、隊員を鼓舞する。海自活動をPRするコンサートや中高生を対象にした演奏指導も行う。

 「安定した音楽生活ですが、武器を持つ自衛官としての責任のある仕事」とした上で、「いい演奏をしたいといつも緊張する。拍手をいただき、笑顔になっていただけるのがうれしい」と語る。

 演奏の実力は折り紙付きだ。昨年8月にはクラシック音楽家の登竜門とされる「日本管打楽器コンクール」のパーカッション部門で2位に輝いた。今年2月の舞鶴市での定期演奏会で難易度の高い課題曲を披露し、喝采を浴びた。「音楽隊で培った正確さが評価された。仲間や上司の支えがあっての受賞。賞に恥じない演奏を続け、学生の指導にも生かしたい」と意気込む。

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