「帰らない」選択があなたを守る 帰宅困難者を受け入れるための地震に強い発電設備とは

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。今回は防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」で、震災が起こる前から帰宅困難者の対策に取り組む企業の強い発電設備を紹介しました。

◆TOKYO防災 A to Z #22 帰宅困難者対策

防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」。
今回は、外出先で災害にあったとき、どこに避難をすれば良いのか、帰宅困難者対策に取り組んでいる企業を取材しました。

美しい街並みと歴史ある文化が共存する東京。その発展の裏には、過去の災害によって培われた教訓を活かした街づくりがあります。
そして、その歩みは未来へ。備えよう、今も、100年先も、安心と安全を守るために。
頻発する自然災害に備え、東京都が想定する五つの危機。
今回のテーマは、「地震への備え」です。

2011年3月11日に発生した東日本大震災。
首都圏では、鉄道の多くが運行を停止。多くの交通機関に支障が生じました。
結果、発生時刻が平日の日中であったことも相まって、約515万人に及ぶ帰宅困難者が発生。

そんな震災が起こる前から、帰宅困難者の対策に取り組む企業がありました。
東日本大震災のときには約200人の帰宅困難者を受け入れた六本木ヒルズ。
その開発などで知られる森ビルのエネルギー部門の担当者に話を伺いました。

最初に案内していただいたのは、六本木ヒルズの地下にある、たくさんの機械が稼働している設備室。
この機械が災害時に役立つものだというのですが…。

(六本木エネルギーサービス 水越孝祐さん)「私どもが六本木ヒルズのエリアに供給している電気を作っている発電設備です」

ここでは24時間365日体制で電気が作られ、独自の自家発電設備で六本木ヒルズ内のほぼすべての電力をまかなっています。

(六本木エネルギーサービス 水越孝祐さん)「発電機を回すガスエンジンは、1台当たり2,000㏄の車に換算すると240台相当の排気量があります。当社には発電機が5台ありますので、この発電機の中に2,000㏄の車が1,200台あるのと同じ大きさです」

さらに、この発電設備は、一つ大きな利点があるそうで…。

(六本木エネルギーサービス 水越孝祐さん)「万が一、電力会社の停電があっても、燃料が都市ガスですので、地震に対しても非常に強い系統で送られていて、私どもの発電した電力によって、この六本木エリアは電力供給を継続して、皆さんがお使いの電気、またはスマホの充電なども問題なくできるように考えています」

これだけ大きく、地震に強い発電設備があるため、帰宅困難者を受け入れることができるのです。

この他にも、帰宅困難者5,000人が、3日間、滞在できる食料や水も準備。六本木ヒルズ以外でも、今年の秋に開業する麻布台ヒルズでは約3,600人が一時滞在できるスペースの確保や、3日間、生活できる食料などを備えています。

このような防災施設の情報は、都が作成している「東京防災アプリ」で確認することができます。
あらかじめマップをダウンロードしておくことで、ネット環境がなくても現在地を表示し、近くにある防災施設までの移動を補助してくれます。
大地震のときは、「帰らない」選択があなたを守ります。

都では、100年先も安心な都市を目指して、「TOKYO強靭化プロジェクト」を策定しています。
詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

関連リンク
https://tokyo-resilience.metro.tokyo.lg.jp/

番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:杉浦みずき、白戸ゆめの
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

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