旧海軍のカレーや肉じゃがのレシピはこれだ 京都・舞鶴で海上自衛隊の資料室公開

公開が始まった第4術科学校の資料室(舞鶴市余部下)

 海上自衛隊の経理や補給を学ぶ海自第4術科学校(京都府舞鶴市余部下)で、資料室の一般公開が始まった。旧海軍発祥とされるカレーライスと肉じゃがのレシピが載った戦前の教科書などが展示されており、同校や、旧海軍で同じような役割を担った海軍経理学校の歴史を学ぶことができる。

 第4術科学校は海自隊員に専門的な教育を施す機関として全国に四つある術科学校の一つ。経理や補給に関する教育を一元化することを目的に1975年に設立された。宮津市出身で衆院議長も務めた政治家・前尾繁三郎が舞鶴への誘致に大きく寄与したという。

 海軍経理学校は現在の東京・築地に本校舎が置かれ、太平洋戦争末期には品川に本校の機能が移転、敗戦に伴って閉校した。

 2015年に開設された資料室は随時公開していたが、より多くの人に経理や補給の歴史に触れてもらおうと、7月に一般公開を始めた。室内には、第4術科学校設立の経緯を紹介するパネルのほか、海軍経理学校の卒業生などから寄贈を受けた制服や短剣、教科書など約250点の資料が並ぶ。いずれも1944年に製造された、水を加えるだけで食べられるアルファ米の原型の「餅の素(もと)」や赤飯の缶詰の現物もある。

 カレーライスのレシピは1908年発行の「海軍割烹術参考書」、肉じゃがのルーツとされる「甘煮」は38年の「海軍厨業管理教科書」に記載されている。第4術科学校の前原伸一資料課長は「旧海軍の料理の歴史を伝えている」と話す。

 同校の庁舎は1930年に建築された旧海軍機関学校の生徒館で、建物からも旧海軍の歴史を感じられる。資料室の公開は土日祝日の午前10時~午後3時。入場無料。

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