LRT事故相次ぎ緊急対策会議 県警や運営会社が危険箇所共有 車と共存へ各種対策

LRTと乗用車との交通事故抑止のため開かれた緊急対策会議=8日午後、宇都宮市下平出町

 8月26日の開業以来、次世代型路面電車(LRT)と乗用車の交通事故が2件相次いだことを受け、県警などは8日、宇都宮市下平出町の宇都宮ライトレールで、事故抑止へ向けた緊急対策会議を開いた。

 最初の事故は1日午前、同市清原工業団地で発生した。宇都宮芳賀ライトレール上り線の軌道内で、隣の道路から右折しようとした同市、無職男性(68)の乗用車と、後方から直進して来たLRTの車両が接触した。

 2件目は5日午後、宇都宮市宮みらいで発生。下り線の軌道内で、軌道を横断しようとした同市、無職女性(76)の乗用車と、右側から直進してきたLRTが接触した。

 いずれの事故もけが人はなく、乗用車の運転者は65歳以上の高齢者だった。事故の要因は、運転者側の右折禁止の標識や信号機の見落としとみられる。

 緊急会議には県警や宇都宮ライトレールなどから10人が出席し、危険箇所などの情報を共有した。県警交通企画課の石井清一(いしいしょういち)交通事故抑止対策官は「運転者の安全確認で事故は防げる。LRTと共存した交通環境の構築へ、各種対策を講じていく」と述べた。

 宇都宮ライトレールの高坂克也(こうさかかつや)運輸企画部長は「LRT側は一層の注意運転を行うとともに、県警の指導を受けながらドライバーへの啓発活動などにも取り組みたい」と話した。

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