津幡の大滝流しそうめん廃業 集団食中毒、賠償終えた後に

 津幡町牛首の飲食店「大滝観光流しそうめん」で8月に少なくとも93人が食中毒となった問題で、店を運営する大滝観光は8日までに、患者への損害賠償を終えた時点で廃業することを発表した。

 大滝観光は5日、ホームページ(HP)を更新。損害賠償の支払いを進めているとした上で「皆様への損害賠償を終えた時点」での廃業を明らかにした。HPでは「多くの方々の信頼を裏切り、大変辛く苦しい思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした」と記している。

 石川県によると、8月11、12日に店でそうめんなどを食べた1歳~70代の93人が腹痛や下痢などの症状を訴え、その後の保健所の調査で、原因は流しそうめんなどに使用している湧き水に混入したカンピロバクターと特定された。店は同17日に県から営業停止処分を受け、今年の営業を終了した。

 店は、大滝観光が1988年から毎年夏、富山県境に近い名勝「木窪(きのくぼ)大滝」周辺の公園で営業。町最大級の高さ15メートル、幅7メートルの滝を眺めながら、そうめんやイワナの塩焼きを味わう大勢の行楽客が訪れていた。

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