森林公園、大雨復旧は春 被害125カ所、道路寸断

斜面が崩落し土砂でふさがった石川県森林公園の林道=7月、津幡町(県提供)

  ●開園50周年イベント延期

 7月の大雨で被害を受け、休園が続く津幡町の石川県森林公園の再開が来年春になる見通しとなった。土砂崩れや道路崩落は125カ所に上り、電柱が倒れ電気が通っていない施設もあり、復旧に時間を要している。秋に計画されていた開園50周年イベントも来年夏の延期が決まった。バーベキュー場や見晴らし台などを再整備したばかりだったが、来園者の安全を優先し、休園のまま節目の年を終える。

 森林公園は津幡園地と三国山キャンプ場に大別され、125カ所の被害のうち121カ所が津幡園地で発生した。利用者の安全を考慮して大雨翌日の7月13日から休園している。

 中でも被害が大きかったのは、津幡園地の出入り口の一つである加茂口からインフォメーションセンターをつなぐ加茂林道で、延長40メートルが斜面から崩落した土砂で覆われ、現在、復旧作業が進められている。

  ●電気止まったまま

 矢田口付近では土砂崩れに伴って電柱が倒れ、ゴルフ場など周辺施設の電気が止まったままとなっている。

 7月の大雨では津幡町では森林公園以外にも、住宅での床上浸水や道路の崩落、農業用水の損傷など多数の被害がでた。

 県によると、県民生活に直結する生活道路や農業施設などの復旧工事が急ピッチで進む中、観光施設である同園の優先度は高くないという。加えて、山あいの立地で冬場は作業が滞るとみて、営業再開の時期を来年春となった。

 休園しているものの、工事車両の出入りに乗じて入ってくる人もいる。県の担当者は「雨が降ると、新たに崩落が生じかねない。危ないので営業再開まで入らないでほしい」と注意を促した。

 森林公園にはキャンプ場やアスレチック、ボートに乗れる加茂池などがあり、週末を中心に親子連れでにぎわう。開園50周年を迎えた5月には、バーベキュー場や見晴らし台などをリニューアルしたばかりで、秋の行楽シーズンを迎えるはずだった。

 5日に県庁で開かれた県9月補正予算案の記者会見で、馳浩知事が被害の概要を説明した。復旧事業費1億3千万円を計上した。

 来年春の供用開始を予定する動物愛護センターと、同年夏にオープン予定の屋内木育施設は、建設作業が進んでいる。馳知事はいずれの施設についても「オープンが遅れることのないようにしたい」と述べた。

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