任期満了に伴う福井県福井市長選(12月3日告示、10日投開票)に出馬する意向を示していた元県議で障害者施設理事長の鈴木宏治氏(49)=印田町=が9月8日、同市のアオッサで記者会見を開き、正式に立候補を表明した。「圧倒的な子育て支援、産業を思いっきり後押しすることを柱に取り組んでいく」と抱負を述べた。⇒福井市長選挙2023の開票速報ページはこちら
鈴木氏は人口減や若者の首都圏流出などの課題を挙げ「圧倒的な子育て応援が必要」と強調。学校の給食費、保育料と医療費の完全無償化を政策に掲げた。「支援制度があるなら福井に戻って子育てをしよう、もう1人子どもを持とうと考えてもらえる福井市を目指す」とした。
また首都圏に出た若い人たちが就職で戻れるような受け皿が必要とし、先端的な企業や産業を育てていく考えも示した。「県都ということにあぐらをかかず、この仕事に人生を懸けられるという産業を育てていく」と述べた。
政治家人生でこれまでにないほど多くの人から出馬を望む声をかけられ、立候補を決意したという鈴木氏。30年先も福井のことを考えられる責任世代の市長が必要とし「無難な行政マンか、若さと実績ある政治家が良いのか市民に選んでもらいたい」と訴えた。
4度挑戦した国政選挙については「市長に当選した際には、最後の仕事になると思う」と述べ、再挑戦の考えはないとした。
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鈴木氏は大阪大学法学部卒。衆院議員の政策担当秘書を経て2003年から県議選に3期連続当選。12年に県議を辞職した後、衆院選3回、参院選1回の計4回国政選挙に挑戦したがいずれも落選した。19年に県議へ返り咲いたが、1期で退いた。
市長選を巡っては8日で副市長を退職した西行茂氏(69)=飯塚町=が立候補を表明しており、共産党も候補者の擁立を模索している。