運休続く米坂線、鉄道での復旧検討 JR東が初表明、費用負担求める

 JR東日本新潟支社は8日、昨年8月の豪雨で被災し、今泉―坂町(新潟県村上市)間で運休が続くJR米坂線について、鉄道での復旧を検討すると初めて表明した。これまではバス転換や廃線の可能性も排除しないとしていた。約86億円と試算する復旧費用の一部を国や県、沿線自治体にも負担してもらう方向で、関係者の理解を求める。

 復旧の課題を話し合う「復旧検討会議」の初会合が同日、小国町のおぐに開発総合センターで開かれた。会議は非公開で行われ、沿線自治体7市町村の代表者、山形、新潟両県とJR東、国土交通省の担当者計13人が出席した。

 現在、運休区間ではバスによる代行輸送が行われている。三島大輔JR東日本新潟支社企画総務部長が会合後、報道陣の取材に応じ「復旧に向けて全力で検討したい」と述べた。沿線自治体の復旧に向けた期待の強さが改めて分かったとし「復旧費と、利用客減少の二つの課題を解決できれば、復旧にたどり着くのではないかと考えている」と話した。

 同社によると、会合では国の災害復旧の補助制度を活用した際の費用負担割合の試算も公表した。鉄道軌道整備法を活用する場合、復旧費の負担割合は国が4分の1(約21億5千万円)、地元自治体が4分の1、JR東が2分の1(約43億円)となる。昨年10月に復旧したJR只見線の例では、自治体が線路や駅舎など施設を保有、維持管理し、鉄道事業者が運行を担う「上下分離方式」に変更するなどの条件を満たし、国、地元自治体、JR東がそれぞれ3分の1ずつ(約28億7千万円)だったとした。

 復旧費は本県側が約55億円、新潟県側が約31億円。地元自治体の負担額を割合で分けると、本県分は4分の1なら約13億7500万円、3分の1なら約18億3500万円となる。会議は今後も不定期で開催する。

© 株式会社山形新聞社