留守番中の犬が起こしやすいハプニング5つ!安心・安全に過ごせるための環境づくりでやってほしいこと

留守番中の犬が起こしやすいハプニング

犬が留守番中に起こしてしまうハプニングにはどのようなものが多いのでしょうか。

1.食べ物を漁る

犬が留守番中に人間の食べ物を漁るというのは、よくある話のひとつです。食べ物だけではなく、生ごみや食べ物のにおいがついたごみが捨てられているごみ箱は、たくさんの食べ物のニオイがするので犬にはとても魅力的です。

人間の食べ物やごみを食べてしまうと、犬の体に悪いものを食べてしまったり、串など危険なものを誤飲・誤食してしまったりする可能性があります。中毒や腸閉塞などを起こして時には命に関わることにもなるため、十分に気をつけなくてはいけません。

2.日用品をかじる

ティッシュやトイレシート、布類などは、犬がイタズラでかじりやすいものです。物が壊れたり散らかされたりして飼い主が困るだけでなく、かじったものを犬が飲みこんでしまうこともあるので注意が必要です。

飲みこんだものが腸などを塞ぎ、胃腸を痛めたり正常な排泄ができなくなったりすることもあります。手術で飲みこんだものを取り出したり傷んだ腸を切り取らないといけないこともよくありますし、手遅れになることもありますので、食べ物ではないものはかじられないようによく気を付けなければいけません。

3.植物をひっくり返す

室内に観葉植物を置いている家庭もありますが、これも犬がひっくり返さないように注意が必要です。普段は問題なくても、留守番中に退屈するといじる可能性があります。

また、よく親しまれている植物の中にも、犬が口にすると危険なものがたくさんあります。植物は犬が入らない場所にまとめておくのをおすすめします。

4.電気コードをかじる

電気コードは犬にかじられやすいもののひとつですが、感電や火災のおそれがあるので絶対にかじられないようにしておくべきものです。

また、かじられたコードを放置するのも感電や火災につながる可能性があり危険です。

5.熱中症

近年の温暖化の影響により、犬も人も夏前から熱中症を起こしやすくなっています。

「まだ5月だから」とか「短時間だから」と、熱中症の心配はないと思って締め切った部屋で冷房をつけずに留守番をさせた結果、熱中症になってしまう犬がいます。油断しないようにしましょう。もちろん、暑さが厳しい季節は必ず冷房をつけてから出かけてください。

近年増えているゲリラ豪雨は、停電を起こすこともあります。冷房をつけていても留守中に停電が起きると電源が切れ、電気が復旧しても冷房が切れたままだと、飼い主不在の家は暑くなってしまいます。飼い主が出先からスマホで遠隔操作できるエアコンが設置されていると、万が一の備えになります。

他にも犬の寝床を日が当たる場所に置かない、水を数カ所に用意する、排泄を我慢することがないようにトイレを数カ所に置いたり大きいトイレを置く、ひんやりグッズを置くなどの熱中症対策をしましょう。

安心・安全に過ごせるための環境づくり

ではここからは、留守番中の愛犬が安心・安全に過ごせるような環境づくりについて解説します。

部屋はできる限り片付ける

犬に誤飲・誤食やイタズラをされないためには、物を片付けておくのが一番です。生ごみやごみ箱は漁られないように、犬が入らないスペースに置いたり蓋付きのごみ箱を使いましょう。

また、観葉植物や大きくて動かせない家電など、犬が留守番をするスペースに置いておかない方がいいものは、犬が近づけないように柵などで囲ってしまいましょう。

危険な場所には柵を設置する

キッチンを始めとした犬にとって危険な場所にも、犬が入れないように柵を設置してください。

留守番の時だけではなく普段から設置して、犬が乗り越えたり通り抜けたりしてしまわないことを確認しましょう。

おもちゃやおやつを与える

ひとり遊びできるおもちゃや食べるのに時間がかかるおやつを与えると、犬は留守番中の寂しさや退屈を紛らわすことができます。

コングのように中にフードを入れられるおもちゃもおすすめです。普段からコングでごはんを与えるようにすると、犬は食事に頭と時間を使うので、食べ終わった時に充実感が得られるでしょう。

ケージや安全な部屋に入れる

物をかじったり部屋を荒らしたりする行動はすぐに直せないことが多いので、留守番中は犬をケージや安全な部屋に入れるというのも良いでしょう。

この場合にも、犬がトイレを我慢したり、暑さ寒さを避けることができなくなるなどの危険がないように環境を整えてあげてください。

まとめ

本来犬は、一日の大半を寝て過ごす動物です。留守番中にずっと起きていてイタズラをしたり落ち着かないでいるのは、体力が余っていたりとても退屈だったり、または不安が非常に強いということです。

留守番中にはご紹介したようなハプニングが起こらないようにするのはもちろん、留守番をさせる前にはたっぷり散歩をしたり遊んであげたりすると、留守番中に犬は疲れて寝ている時間が多くなるでしょう。

それでも留守番中にイタズラがなくならない犬は、散歩時の引っ張りや拾い食いなど、留守番以外にも問題がある場合が多いと思います。留守番中の行動を直そうとするだけではなく、生活全体を見直して肉体的にも精神的にも満たしてあげ、普段から落ち着いて過ごすことができるようになれば、留守番も問題なくできるようになるでしょう。

また、留守番に問題があったり心配な場合は、犬の幼稚園やペットシッターなどの利用も検討してみると良いでしょう。

(獣医師監修:木下 明紀子)

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