10年に1度「湯野沢熊野大祭」始まる 村山、威勢よく奴振り

奴振りなどの大行列が富本郵便局近くを出発し、地区を練り歩いた湯野沢熊野大祭=村山市湯野沢

 村山市湯野沢地区に伝わる10年に1度の祭礼「湯野沢熊野大祭」が9日、同地区で始まった。市無形民俗文化財の湯野沢奴(やっこ)振りなど地元住民ら230人の大行列が練り歩き、地区に威勢の良いかけ声が響き渡った。

 行列は富本郵便局近くを出発。布幕まで全長10メートルの湯野沢獅子頭に続き、長さ4メートルの大鳥毛(おどりげ)などを持った奴たちが力強く進んだ。目的地の稲荷神社までに、躍動感あふれる天神湯野沢鹿(か)の子踊(こおどり)も披露され、踊り手が華麗に跳び上がると沿道から拍手が起きた。鹿の子で出演した叔父に声援を送った新庄市日新小2年の高山歩君(8)は「格好良かった」と目を輝かせた。

 大祭は、湯野沢熊野神社の社殿修復や再建を行った時に祝賀行事として行われたとされ、今回が42回目。1882(明治15)年から現在に伝わる大行列となった。最終日の10日の大行列は、午前8時10分に稲荷神社を出発し、午後2時半に湯野沢熊野神社に到着する予定。

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