県中学駅伝、山形十が男女3連覇 

〈男子〉山形十の4区小野寺諒(右)からたすきを受け取る5区前田海斗=天童市・NDソフトスタジアム山形

 第38回男子・第33回女子県中学校駅伝競走大会が9日、天童市のNDソフトスタジアム山形を発着点とした県総合運動公園外周コースで行われ、男女とも山形十が3連覇を果たした。男子は58分37秒で9度目の頂点に立ち、女子は42分52秒で6度目の戴冠。

 男女ともに26チームが参加した。男子は6区間18キロ(各3キロ)で競い、山形十は序盤からトップ争いを繰り広げ、4区の小野寺諒で2位に53秒差をつけ、逃げ切った。

 5区間12キロ(1、5区は3キロ、2~4区は2キロ)の女子で山形十は、2区の佐藤愛琉で首位に立つと、そのままトップを譲らず、2位に2分13秒差をつけて快勝した。

 ともに滋賀県で12月に行われる全国大会に出場する。

【ハイライト】中盤に逆転、逃げ切り

 男子は山形十が2位に43秒差で栄冠を手にした。3年連続優勝と実力を示し、その中でも立役者となったのは4区の小野寺諒。2位からトップに浮上し、50秒以上の差をつけた。「いいリズムでつなげた」と納得の表情を見せた。

 自らがたすきを受けた際、先頭とは29秒差。着実に距離を詰めた。「差は気にしていなかった。抜かしたい一心だった」。日々、スピード強化を意識した練習に取り組んできた成果を生かし、1キロ過ぎで捉えた。「少しでもリードを広げてつなげる」。ギアを上げ、どんどん引き離した。神尾成人監督が「気持ちの強さを見せてくれた」とたたえた力走だった。

 小野寺からたすきを受け取った5区前田海斗は「コースの高低差など特徴を理解していた」と冷静な走り。単独走ながらペースを意識して差を広げた。アンカーの松田椋誠は後続に詰められたが、リードを生かして逃げ切った。

 全国大会への出場権を手にすると、選手たちはスピードやメンタル面での強化を目標に掲げた。前回の全国大会は15位だった。今回はこれ以上の成績を目指す。前田は「全国の舞台は独特の緊張感がある」と振り返り、「雰囲気にのまれないよう準備していきたい」と意気込んだ。

【スポット】2区からトップ譲らず

 女子の山形十は2区で先頭に立つと、以降は他のチームの追い上げを許さなかった。最後は後続に2分13秒差。同区間の快走で勝利への道筋を開いた佐藤愛琉は「優勝へのプレッシャーもあった。うれしい」と表情を和らげた。

 1区佐藤ねねから17秒差の4位でたすきを受けた。走り出しからスピードに乗り、1人、また1人と抜いていく。先頭に立ったのは1キロ付近。「3区までに20~30秒差まで広げる」。ギアを上げて引き離し、26秒差のリードをつけて3区につないだ。「1位で渡すことだけ考えていた」。有言実行の走りだった。

 3区西田芽依、4区森晴音もその流れに乗り、アンカー細川きとはは「強さを見せつける」とピッチを刻み、それぞれがリードを広げた。竹嶋祐監督は「それぞれが力を出し切った」とねぎらった。

 昨年の全国大会は22位。次の大舞台で躍進を果たすには各選手の一層のレベルアップが必須だ。佐藤愛は「全国でも通用するようスピードを磨いていく」と力を込めた。

〈女子〉山形十の1区佐藤ねね(左)からたすきを受け取る2区佐藤愛琉

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