福井県福井市の全天候型遊び場完成遅れ 人員不足や工事費用が壁、入札2度に応札なく 遅れ少なくとも半年か

全天候型の遊び場を整備する予定地=福井県福井市の市中央公園

 福井県福井市が市中央公園に整備を計画している全天候型の遊び場の完成が2023年度内に間に合わないことが分かった。建設工事の一般競争入札を2度行ったが、応札がなく不調に終わったため、市は条件を見直して再入札を行う方針。来年3月ごろの供用開始を予定していたが、少なくとも半年は遅れる見込みとなっている。

 遊び場は同公園南東部の旧順化公民館跡地約950平方メートルに整備を予定。市公園課によると市内の業者を対象に、設計金額1億3915万円(税込み)で5月に公告したが応札がなかった。設計図書を閲覧した業者にヒアリングしたところ、物価高騰などで価格が合わないとされた。一部の工事を除いた上で、設計金額を1億4168万円(同)に上げて7月に再公告したが応札はなかった。⇒全天候型遊び場、どんな施設?

 再び業者に聞き取ったところ、現在抱えている民間工事で技術者が確保できないことや、物価高騰が続き工事費用が読めないことなどを理由に挙げた。今後、入札業者の範囲拡大の検討や、材料単価の再調査などを踏まえて設計金額に反映し、年内に契約できるよう再度入札をかける。

 2度の入札不調について同課は、遊び場が特殊な形状の建築物で価格設定が難しく、メーカーなどにヒアリングし設計金額を算出したが、物価高など情勢の変化が大きかったと説明。「来春に間に合わず非常に残念な結果となったが、できるだけ早く発注、完成させたい」とした。

 遊び場は県が各市町に最大1億円を支援する補助事業などを活用。市のイメージロゴ「福いいネ!」や福井県の形を模した屋根のメイン施設は、子どもたちが楽しめるトランポリンや滑り台、保護者が見守れるスペースなどもある。市建設部の若手・子育て世代の職員がプロジェクトチームをつくり計画案を検討し、市民アンケートの意見を反映させ設計をまとめた。

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