パン好き男子高生、同世代の店離れを感じて見せた行動力…他校100人と“映える”新メニュー開発

高校生が食べたくなるパンの新商品開発に挑戦している藤井大登さん(右)とブーランジェリーパリジャンの稲垣元宣さん=福井県福井市御幸3丁目の同店

 同世代に地元のパン店に足を運んでもらおうと、北陸高校1年の藤井大登(ひろと)さん=福井県福井市=が同市内の4店や啓新高校調理科の生徒と連携し、若者向けの新商品開発に挑戦している。インスタ映えする見た目を意識し、若者が好む具材を組み合わせるなど、工夫を凝らした8点を10月の学生イベントで販売する。その後も連携店で取り扱う計画。

 高校生が考えた企画を実現する福井市の「まちなかアオハルプロジェクト」の一環。お気に入りのパン店に「毎日通う」という藤井さん。友人らはコンビニで買うことが多く、「パン店離れが起きている」と感じていた。小麦や卵などの原材料高という店側の苦境もあり、同世代の利用を増やし、売り上げに貢献したいと新商品開発を企画した。

 6月上旬から福井市内約20のパン店に一軒一軒、電話や対面で趣旨を説明。「PANTES(パンテス)」「あさひるぱん」「ルオント」「ブーランジェリーパリジャン」の4店の協力を取り付けた。

 調理を学ぶ同世代にもアイデアを出してほしいと考え、啓新高調理科の1~3年約100人に依頼し、授業の一環で「理想のパン」を提案してもらった。寄せられたアイデアを基に、4店とそれぞれ話し合い、各店1~3点の計8点の商品化を決定。カラフルなキャンディーやギョーザ、焼き芋のような見た目の商品のほか、中身がカレーのメロンパンなどユニークなメニューがそろった。

 ブーランジェリーパリジャンを経営する稲垣元宣さん(60)と佐代子さん(56)夫妻は「私たちが考えつかないような発想で刺激になる。普段は家族連れや年配のお客さんが多いが、若い人たちがもっと来てくれたらうれしい」と話す。

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 各店と試作や打ち合わせを重ね、10月29日に福井市のJR福井駅周辺で開かれるイベントで販売する。藤井さんは「地元福井や大好きなパン店のために何か役に立ちたいと思った。パン店の新規顧客獲得にもつながれば」と意気込んでいる。

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