茨城・行方の民話から着想 朗読ドラマ共同制作 茨城大と「なめテレ」

市民俳優らによる朗読ドラマの収録が行われた=行方市麻生

茨城大と茨城県行方市の「なめがたエリアテレビ(なめテレ)」が共同制作する朗読ドラマ「神々の湖(うみ)に水光る(仮称)」の収録が今月初旬、同市麻生の情報交流センターで開かれた。オーディションで配役が決まった市民俳優14人が県内外から参加。行方の民話をモチーフにしたオリジナル脚本を熱演した。

朗読ドラマは、同大人文社会科学部の村上信夫教授の3年生のゼミ生らが脚本・演出を担当して取り組んでおり、今回で4作目。両者は元々、市内のCM撮影などを行っていたが、コロナ禍の中、2020年度から朗読ドラマの制作が行われている。

過去3作品は、行方の農業や漁業などがテーマだったが、今回は行方に伝わる「夜刀神(やとのかみ)」の民話から着想を得た。戦国時代の戦の神「阿刀神(あとのかみ)」が、現代の行方市へタイムスリップして多くの「感謝」を集めるとのストーリーだ。

オーディションには過去最多の42人が参加したこともあり、市民俳優は当初の8人から14人に増やした。演者たちは役柄に応じた衣装を身に着け、身ぶり手ぶりも交えながら収録に臨んだ。

これまでに比べ、今回はカット割りなどの「見せ方」にもこだわった。脚本を担当した藤岡美羽さん(20)は、「行方には民話が多いので、いろいろ調べた上で脚本をつくった」と振り返り、「はじめは暴れん坊の阿刀神の心情の変化に注目して見てもらいたい」と呼びかけた。

水戸市から参加し、主役級の女子高生「ひかり」を演じる篠原和鈴さん(17)は「イントネーションに注意して演じている。声優を目指しており、夢に一歩近づけた気がした」と声を弾ませた。

ドラマは試写会を経て、11月中旬からなめテレで放送される予定だ。

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