園舎に新たな壁画 北茨城の幼稚園 温かな色合い、芸大生描く

東京芸術大の学生が園舎に描いた新たな壁画=北茨城市関南町関本下の誠之会幼稚園

茨城県北茨城市関南町関本下の誠之会幼稚園の園舎にキノコや小人、花などを描いた新たな壁画がお目見えした。同市と交流のある東京芸術大の学生がデザインから手がけ、温かな色合いでレトロな雰囲気に仕上げた。園児たちにも好評で、同園は「幼稚園のシンボルマークになれば。園児たちの心に残る園舎となってほしい」としている。

壁画は園舎の外壁3面を使用。同大デザイン科の2年生を中心に7人が8月下旬に8日間かけてペンキで描いた。大きなキノコに囲まれたデザインで小人になった設定で楽しめるようにした。小人や動物の姿も盛り込んでおり、園舎の入り口付近にはチョウが飛び、足元に花などが広がる絵に仕上げた。

同園によると、元々の外壁にはキリンやゾウなどの絵が描かれていた。東日本大震災でひび割れができて補修し、2年前には白く塗り替えたという。新たな壁画を検討していた時、2月に同市で開催された「全国あんこうサミット」でパフォーマンスを披露した同大の学生に制作を依頼。学生たちも「挑戦したい」と快諾し、6月から本格的にデザインに取りかかった。

同園の渡辺誠園長(74)は「夢があり子どもたちの喜ぶ絵を描いてほしいとお願いした。子どもたちもすごいと言って見てくれている」と目を細めた。

壁画制作のリーダーを務めた同大2年、石坂莉帆さん(21)は「壁画をきっかけに幼稚園に行きたい気持ちになったり、温かみのある場所として記憶に残ったりしてほしい。保護者や近くを通る人の会話のきっかけにもなれば」と話した。

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