大の里、関取白星デビュー 難敵撃破「ほっと」 朝乃山、輝も勝利

 大相撲秋場所(両国国技館)初日の10日、東十両14枚目の大の里(津幡町出身、二所ノ関部屋)は西十両13枚目の朝紅龍(あさこうりゅう)を押し出し、関取デビュー戦を白星で飾った。先場所まで2連敗していた相手に雪辱を果たし「勝ててよかった。ほっとした」と息を吐いた。

 十両土俵入りでは、大の里が東方力士の1番手で入場。アイ工務店(大阪市)から贈られた化粧まわしを着用して土俵に上がると、「おおのさとー」と声援が飛んだ。少しこわばった表情だったが、ミスなく乗り切り「関取になったんだと実感した」と振り返った。

 大の里は鮮やかな青色の締め込みで、日体大の2学年先輩である朝紅龍との新十両対決に臨んだ。大の里はもろ手突きの立ち合いから相手のいなしをこらえ、回り込む相手に冷静に対応。浅いもろ差しとなって体を預けるように押し出した。

 難敵を下しての好発進に「初日が全てではない。勝ち越しが最低条件。次につなげていきたい」と決意を示し、国技館を引き揚げた。

 2場所ぶり再入幕の東前頭16枚目の輝(七尾市出身、金沢市西南部中OB、高田川部屋)は同17枚目の大翔鵬を寄り切って好発進した。相手にまわしを与えず、浅いもろ差しに成功すると休まず寄り切り。金沢場所(北國新聞社主催)で石川のファンからの激励が力になり「声援がありがたかった。しっかり期待に応えたい」と力強く話した。

  ●遠藤は敗れる

 西前頭10枚目の遠藤(穴水町出身、金沢学院大附属高OB、追手風部屋)は東前頭11枚目の御嶽海に押し出され、黒星スタートとなった。御嶽海の突き、押しに後退。左でいなしたが、力なく土俵を割った。「コンディションを整えるため」として夏巡業は休場しており、「最低限の稽古はできた」と話した。

 西前頭2枚目の朝乃山(富山市出身、高砂部屋)は西関脇若元春を下して白星発進を切った。左腕にはサポーターを施しており「万全ではないから、負けてもいいと思い切っていける。吹っ切れた気持ちでいく」と決意を込めた。

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