収穫の秋も酷暑に水不足… コメへの影響は 「ほ場も悲鳴」「水管理に苦労」

収穫の秋を迎えています。夏の高温・水不足で野菜の生育に影響が出ていますが、コメはどうでしょうか? この時期、収穫するコメの代表格がコシヒカリです。産地の1つ、北広島町 千代田地域で取材しました。

標高およそ400メートル。北広島町 千代田地域の寺原地区です。先週末、地元の集落法人がコシヒカリを収穫していました。

一般的に日照時間が長いと、コメはよく出来ますが、この夏はどうだったのでしょうか?

ファーム八重145 中森司 代表
「ことしの猛暑を乗り切って、水管理とかたいへんだったと思うのですが、いいおコメに育っていると思います」

水を管理した 本多秀雄 さん
「常に冷たい水でかけ流しのように入れることはしました」

田んぼに引いている川の水が枯れず、水を流し続けたことがよかったようです。

しかし、地域全体では酷暑の影響が出ています。コメの検査場では、農家が持ち込んだコメ袋からコメを抜き取り、見た目や粒ぞろいなどを調べます。

検査員
「白い “シラタ” が目立ちますね」

“シラタ” とは、粒の一部が白くにごった未熟なコメです。高温障害が原因です。

JAひろしま 千代田支店 田坂真吾 副支店長
「高温、急に気温がバアーと上がってしまったというのと、水が少なくって足りてないようなところは軒並み白くなっているなっていうところじゃありますね」

これまでのところ、全体の3~4割のコメにシラタがあり、全体的に粒が小さいとのことでした。

田坂真吾 副支店長
「どんどん夏が暑くなってきておりますので、ほ場の方も悲鳴を上げとるんかな、そんな感じに思っています」

コメを搬入した農家
― 難しい夏でしたか?
「難しいですよ。初めてじゃないかというくらい、暑かったけえ」

コメを持ち込んだこの農家も水の管理に苦労したそうです。等級が下がると、コメの値段も下がるだけに、1等の評価を受け、大喜びでした。

農家
「ありがたい、最後の最後じゃけえ。この結果によっちゃ、ガックリ来るしね」

柴田和広 記者
「コシヒカリの収穫は今月中旬ごろまで行われ、その後、『あきろまん』『あきさかり』の収穫と続きます。農家にとって、やきもきする日が続きます」

― JAによりますと、肥料や農薬代が高騰している中、苦労して育ててもシラタが出て、粒が小さいのならコメ作りをやめる農家が増えるのではないかと恐れているということです。また、コシヒカリよりもっと高温に強い品種に切り替えた方がいいのではという声も聞かれました。

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