【台風13号】茨城・日立で男性不明 県内浸水被害840棟超 日立の沢平地区、通行できず孤立状態

日立市十王町高原の沢平地区は土砂崩れで唯一の市道が埋まり、孤立状態が続く=11日午後0時40分ごろ

台風13号に伴う大雨被害で、茨城県災害対策本部は11日、日立市で40代男性1人が行方不明になったと発表した。建物の浸水被害は11市町村で840棟超に拡大。日立市十王町高原の沢平地区は唯一の市道が土砂で埋まり、孤立状態となったことが判明した。

行方不明の男性は、8日夜に勤務先へ「車が水没して仕事に行けない」と電話で連絡があったという。その後連絡が取れないため、妻が警察に通報。男性の車は同市砂沢地区で発見された。日立署は男性が流された可能性があるとみて捜索している。

高萩市では70代男性が避難中に転倒し、顔に軽傷を負った。県内ではこれまでに、北茨城市の川で見つかった20代男性の死亡が確認されている。

住宅被害は11日午後5時現在、床上浸水が8市村で353棟に増えた。高萩市が162棟、北茨城市が159棟と集中し、今後も増える見込み。床下浸水は10市町村で476棟。

北茨城市の避難所では5人が避難を続ける。

住宅以外では、日立市小木津町の病院のほか、高萩など4市村の高齢者施設6カ所の床上浸水を新たに確認した。北茨城市の認定こども園1施設も浸水で休園しており、市が16日以降、代替施設で園児らを受け入れる予定。

土砂崩れは7市町で計171件となった。

日立市十王町高原の沢平地区では、唯一の市道の2カ所で土砂が崩れて通行できなくなり、8世帯14人が孤立状態となった。茨城県は防災ヘリコプターで物資を搬送することを決めた。

常磐自動車道下りの日立南太田-日立北インターチェンジ(IC)間は11日午後10時に通行止めが解除された。国道や県道では、高萩市安良川の国道461号など計6路線で通行止めが続いている。

学校は11日、高萩市の松岡小が校舎の床上浸水の影響で休校した。日立市の中里小、中里中も休校。北茨城市の小学校と特別支援学校の各1校で短縮授業とした。

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