青森県深浦町の吉田町長5選不出馬を表明

町議会一般質問で、今期限りでの引退意向を表明する吉田町長=11日午前、深浦町議会議場

 青森県深浦町の吉田満町長(70)は11日、来年12月20日の任期満了に伴う次期町長選に出馬しない意向を表明した。町議会一般質問で、再選出馬を促す大髙恒藏議員(自由クラブ)の質問に「今季限りと(かねて)宣言してきた。どうぞご理解よろしく」と答弁した。同町長は現在4期目。

 大髙議員は「施策の達成度が低い。あと1年でやってしまおうというのは無理じゃないか。もう1期やったらどうか」と質問。吉田町長は「4期やらせていただいた。あと1年やれば十分。自分の体力と情熱を考え、次の人に譲るというのも選択肢にあっていいし、やり残したことは次の世代でやればいい」と述べた。

 吉田町長は東奥日報の取材に、5選への不出馬意向は「4期目の当選時から、後援会に、1回、2回ではなく伝えてきた」と説明。その上で「政治家の出処進退は辞めるとき、どう区切りをつけるかが非常に難しい。だから、4年前から(5選不出馬意向を)しゃべって、嫌われることを特に選んでやっている」と述べた。

 今年3月末の福祉施設「ゆとり」の温泉施設廃止については「自分の代で幕を下ろすしかないと思っていた」と述べ、残りの任期でも公共施設整理などに取り組む考えを示した。また「政治家はやりつくした」とも述べ、次期県議選への出馬などを否定した。

 吉田氏は町議5期目途中の2008年、前町長の辞職に伴う町長選で、ほかの新人3人を破り初当選。12年は無投票で再選、16年には新人との一騎打ちを制した。20年は無投票で4選が決まった。次期町長選を巡っては既に出馬への意欲を持っている人もいる。

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