【那須塩原】東京パラリンピック水泳男子オーストリア代表のアンドレス・オネア選手(31)がこのほど、高柳の三和住宅にしなすのプラザで公開練習を行い、スイミングスクールなどに所属する中学生18人を指導した。
幼少期に交通事故で左腕を失ったオネア選手はパラリンピックに4回出場し、2016年のリオ大会では100メートル平泳ぎで銅メダルを獲得。20年から東京大会のホストタウン事業で市内小中学生とのオンライン交流会に参加し、今回はスポーツ振興くじの助成金を活用した市の招待で来日した。
オネア選手は「水泳のおかげで自信が持てた」とキャリアを振り返り、自由形、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライの4泳法を披露。片腕と思えない力強さに中学生は拍手を送った。続いて中学生は「片腕で」「キックを使わず」「目を閉じて」と指示を受け、不自由な状態で泳ぐことに挑戦。オネア選手は「さまざまな障害のあるパラ選手が、試行錯誤して最適なフォームを見つけていることを感じてほしい」とアドバイスした。
黒磯北中3年の渡辺睦輝(わたなべむつき)さん(14)は「頭を使い、考えて泳ぐことが大切だと教わった。練習してオネアさんのようになりたい」と夢を膨らませていた。