台風13号に伴う大雨で、茨城県北地域の沿岸に大量のごみが漂着している。沿岸付近の住宅には、河川氾濫で上流から流されたとみられるごみも押し寄せた。市民ボランティアなどの片付けは始まっているが、沿岸には大きなごみや木なども流れ着いており、住民を悩ませている。
日本有数のサーフポイントで人気の日立市河原子町の河原子海岸。普段はきれいな白い砂浜が広がり、海水浴客にも人気のスポットだが、8日からの大雨で浸水家屋などから流れ出たがれきやごみが大量に散らばった。
日立サーフィン連盟は、交流サイト(SNS)で同海岸の清掃活動を告知。10日にはサーファーなど約100人が駆け付け、同海岸「北浜」のごみ拾いに当たった。井上ボンジ代表(58)は「災害で出たごみだけでも早く拾わなければ」と話した。
同海岸「南浜」でも市民ボランティアが清掃に乗り出し、空き瓶やポリ容器、中身の入ったエンジンオイル缶などを拾い集めた。毎月ごみ拾いをしているという山形時雄さん(73)は「いつもの5倍あった。地道に片付けていくしかない」と汗を拭った。
川が氾濫した地域では、民家や周辺にもごみが漂着。関根川と竜子川に挟まれる同県高萩市下手綱の住宅街には大雨後、流木や草、ドラム缶、発泡スチロールなどが残った。
同県北茨城市と高萩市の災害ごみを受け入れる「高北清掃センター」(北茨城市中郷町小野矢指)には、沿岸に漂着した長さ約3メートルの材木や丸太が並んだ。同センターには9日から、途切れることなく住民が訪れて大量のごみを搬入。集められた漂着ごみは、稲刈り後のわらなどが多いという。
10日に4回訪れたという高萩市の前田高行さん(50)は「漂着ごみだけで10トン分はあっただろう。片付け続きで、もう疲れた」とため息をついた。