【台風13号】通勤通学や物流打撃 茨城・日立の渋滞、休校も

日立南太田ICと国道6号の合流地点から石名坂(写真右奥)まで延々と連なる車列=11日午前7時25分、日立市大和田町

大雨被害から初めての平日となった11日朝、茨城県日立市では各地で渋滞が発生し、通勤通学や物流に大きな影響が出た。山間部の土砂崩れにより、同県常陸太田市と東西を結ぶ結ぶ複数の幹線道路や常磐道の通行止めが直撃。一部の学校では臨時休校、出勤できない会社員も。路線バスは軒並み大幅に遅れた。

市中心部から山を越えて中里地区へ向かう県道36号日立山方線は開通のめどが立たず、市立中里小中学校は11、12両日を臨時休校とした。同線は児童生徒約35人が利用するスクールバスの運行経路。市教委は「別ルートで運行できないか検討中」とし、バス会社との調整に追われた。

市北部の十王ダム周辺から西に延びる県道60号十王里美線も土砂崩れで通行止め。同市十王町高原地区からは約10人の小中学生が路線バスで山の麓へ通学しているが、運休のため11日は保護者が送迎。通学を断念した家庭もあった。

県道60号は土砂が約100メートルにわたって流入した箇所がある。同市に通勤する常陸太田市小目町、教諭、於曽能伸浩さん(62)は「この土砂ではまだまだ時間がかかりそう」と苦い表情。同所の会社員、川松信彦さん(65)も「とにかく早く復旧してほしい」と願った。

県道に通じる市道でも通行止めが目立つ。日立市十王町高原の藤坂地区に住む男性(60)は「会社にはしばらく通勤できないと伝えた」と話した。

市内の常磐道下り線は11日夜まで再開できず、迂回(うかい)する車が国道6号と同245号に流入。最大で約13キロの渋滞が起こるなど激しい渋滞が終日続いた。

路線バスの運行にも影響が出ている。茨城交通の担当者は「朝の通勤時間帯でおおむね40~50分遅れた。日中も流れが悪く、退勤時間にも響きそう」と困惑した様子で話した。

尾又運送(同市国分町)は、トラックが渋滞に巻き込まれ、取引先での荷積みの時間に間に合わない恐れがあるとして、調整に追われた。尾又彰彦社長(50)は「大型車に回り道はなく、従来の運行はできない」と語り、「片側2車線の道路がほぼない日立の交通の便の悪さがもろに出た」と嘆いた。

© 株式会社茨城新聞社