【台風13号】学校再開へ消毒作業 茨城・高萩 浸水被害の松岡小

体育館を消毒する教員=高萩市下手綱の市立松岡小

茨城県高萩市下手綱で床上浸水に見舞われた市立松岡小で、懸命な復旧作業が続いている。同校は8日夜からの大雨で、校舎1階が約60センチ浸水し、授業ができなくなった。11日には卒業生や在校生が駆け付け、13日の学校再開を目指し消毒作業などに当たった。

床上浸水したのは、1、2年生の教室や体育館、給食配膳室、職員室など。同校では10日に本格的な復旧作業が始まり、市立松岡中の生徒約40人も参加した。

11日には在校生も作業に参加。友人4人と参加した菊地倖之助君(6年)は「被害を見て悲しかった。早く元通りになってほしい。学校に行って友達と遊びたい」と語った。

泥水に含まれる細菌類で感染症を引き起こす可能性があるため、教職員らは教室や体育館などの床を消毒。給食配膳室の消毒に当たった細谷恵美さん(39)は「給食は児童の口に運ばれるものだから」と話し、消毒濃度を高めて作業に当たった。

10日の復旧作業に参加した松岡中3年、東小川結衣さんは、交流サイト(SNS)で集まった同級生と協力し、椅子や机を消毒。「思ったよりもひどい状況。一日でも早く、通常の学校生活を送ってほしい」と話した。

松岡小ではこのほか、教室床下のコンセントやケーブルなども水に漬かり、電気工事業者が修理に当たった。12日は通学路の点検を行う予定という。

同市内は家屋の床上・床下浸水が計400棟を超えており、住宅の浸水被害は県内で最多。片付けなど復旧作業は11日も続けられた。

床上1.5メートルの浸水被害を受けたという同市下手綱の50代女性は、夫が入院中で汚れた家財が運び出せず、室内の掃除も進まなかった。11日に災害ボランティアが派遣され、家財を運搬。「1人ではどうしようもなかった。助けが必要だった」と謝意を示したものの、「次はいつ来てくれるのか不安。支援も一時的なのでは…」と不安そうに話した。

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