夏なのに「かまくら」作り 京都の高校生が目を付けた放置竹林の活用策

「夏のかまくら」を制作した建築科の生徒たち(京都府宮津市・宮津天橋高宮津学舎)

 京都府宮津市の宮津天橋高宮津学舎の学校祭に合わせ、市内の放置竹林で伐採された竹と和紙で作られたアーチ「夏のかまくら」が4日から7日まで正門に設置された。中に入ったりくぐり抜けたりすることができ、市民や生徒らが柔らかな光が差し込む不思議な空間の感覚を楽しんだ。

 正門にアーチを設置する取り組みは70年以上続く恒例行事で、建築科の生徒が毎年テーマを決めて制作し、今年はドーム型アーチに取り組んだ。直径7.6メートル、高さ3.8メートルで広さは畳27枚分。3年生28人が2カ月をかけて完成させた。

 全国的に増えている放置竹林の間伐材を有効活用しようと、生徒たちは、市内各地で伐採された竹を均等に割ってつなぎ合わせた長さ約12メートル、幅約5センチの竹材15本で骨組みを制作し、最後に和紙を貼って仕上げた。

 宮津天橋高の生徒(18)は「高い所に和紙を貼る作業が難しかったが、足場を組み、みんなで支え合って完成できた」と振り返り、宮津市の女性(44)は「見た目も涼しげで、きれい」と話していた。

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