山形市長に佐藤氏3選 投票率39.10%、渡辺氏下す

山形市長選で3選を果たし支援者から胴上げされる佐藤孝弘氏=山形市流通センター3丁目の選挙事務所

 任期満了に伴う山形市長選は10日、投開票が行われ、現職佐藤孝弘氏(47)=双葉町1丁目=が新人の元県議渡辺ゆり子氏(71)=青田2丁目=を退け、3選を果たした。投票率は39.10%で前回(39.08%)を0.02ポイント上回った。

 佐藤氏は昨年11月の市議会で出馬表明した。多くの企業、団体、自公系の県議や市議が支援に回った。市内全域をカバーする自身の後援会組織を軸に選挙戦の準備を整えた。政党への推薦は求めず幅広い支持層に訴えかけ、市政野党会派の一部も取り込んで分厚い態勢を構築した。

 自家用車に過度に依存しない公共交通の充実、旧大沼と市立病院済生館一帯の再開発による中心市街地の魅力向上、高校生までの医療費完全無償化をはじめとする子育て支援の推進などを掲げた。

 前回と似た流れで選挙戦の構図が固まったことから、低投票率を懸念し、期日前投票の利用を積極的に呼びかけた。

 渡辺氏は共産系政治団体が擁立し、8月上旬に立候補の意思を明らかにした。県議4期、市議5期を務めた経験をアピールし、子育て世代や高齢者の暮らしを重視する市政への転換を訴えた。非自民勢力の結集を目指したが、推薦したのは共産党県委員会にとどまるなど広がりを欠いた。

 佐藤氏は当選確実の一報を受け、流通センター3丁目の選挙事務所で支援者を前に「市民目線でチャレンジする市政に、今後もぶれることなく取り組む。持続可能なまちづくりにまい進する」と語った。

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