西九州大は2024年春、大学院の修士課程にスポーツ科学専攻、博士後期課程に臨床心理学専攻と保健医療学専攻を新設する。文部科学省から設置が許可されたことを11日発表し、福元裕二学長は「全ての学部学科に大学院の修士課程がそろった」と説明した。来春開設としている学部や学科と同等の「デジタル社会共創学環(がっかん)」の設置も許可された。
スポーツ科学専攻は2年の修士課程で定員2人。臨床心理学専攻は3年の博士後期課程で定員2人。修士課程の臨床心理学専攻が博士前期課程(2年)に変更になる。保健医療学専攻も博士後期課程で定員2人。基礎となる修士課程は、リハビリテーション学専攻と看護学専攻になる。
デジタル社会共創学環は神埼市の神埼キャンパス(に置く。定員は60人。デジタルを活用し、世界に通じる力を身に付ける「グローバル」と、デジタルと人をつなぐ力を育成する「情報メディア」の2コースを設ける。
橋本健夫副学長は「学環は従来の人員、施設を使って従来の定員から融通し、新たな費用なくつくれる」と説明した。同学環の設置に合わせ、健康栄養学部健康栄養学科と健康福祉学部社会福祉学科の定員を30人ずつ減らす。
同学環は、27年度に定員100人で開設予定の「健康データサイエンス学部」(仮称)に発展する。学部新設計画は文科省の大学・高専成長分野転換支援基金助成事業に採用され、設置の「内定を受けた」(福元学長)という。最終的な設置申請は26年3月の予定。学部新設時は短大部も含め、ほかの定員を100人減らす。同学環は来年度から新入生を3年間受け入れ、卒業するまで6年間続くことになる。
福元学長は「デジタル社会の進展に向けて、学部、大学院をどのように充実・発展させていくか。ここ数年が正念場になる」とし、同学環などの成功の鍵を「デジタル人材は実践力がすべて。地元の企業といかに連携できるかどうかにかかっている」とした。(宮﨑勝)