巨大たいまつと花火競演 日の本中央まつり(青森・東北町)

たいまつの炎と花火が競演したたいまつ火祭り

 青森県東北町乙供地区の赤川河川敷で10日夜、「日の本中央まつり」(町、町観光協会、東北町商工会主催)のメインイベント「たいまつ火祭り」が開かれた。会場を埋めた大勢の観客たちが、川面を照らす巨大たいまつの炎と夜空を彩る花火の競演を楽しんだ。

 たいまつ火祭りは、町内で発見された「日本(ひのもと)中央の碑」と坂上田村麻呂伝説に由来し、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願う。赤川には、同町や周辺地域の古代名とされる「都母(つも)」「伊治(これはり)」などの名称を付けた高さ3~5メートルの巨大たいまつ10本が据えられた。

 坂上田村麻呂が陣を張って剣舞を教えたという伝承がある上板橋剣舞の披露や灯籠流しに続いて、男衆がたいまつに点火。和太鼓の迫力ある音色が響く中、燃え盛る炎と、次々に打ち上げられる約630発の花火によって、辺りは幻想的な雰囲気に包まれた。

 青森市の旅行会社「また旅くらぶ」が青い森鉄道、同商工会の協力を得て行ったまつり見物ツアーには16人が参加。同市の山口正起さん(79)は「歴史を感じながら、太鼓、花火も見ることができて、ねぶたに負けない素晴らしいまつりだと感じた。もっと全国にPRしてもいいのでは」と感動した様子だった。

 日の本中央まつりは8~10日に実施。神楽ばやし・祭りばやし共演会や、郷土芸能、流し踊りなど多彩な行事が行われた。

© 株式会社東奥日報社