「無くなって残念 返して」橋の名前書かれた「橋名板」盗難相次ぐ 背景には「銅」の高騰

静岡県内で「橋名板」と呼ばれる橋の名前が書かれたプレートが盗まれる事件が相次いでいます。橋にくっつけられている金属製の板はなぜ盗まれるのか?プレートの素材とサイズが狙われる理由とみられています。

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<山口駿平記者>
「被害に遭った橋です。こちらの橋名板と…こちら…そして、反対側のあちらとあちら、4枚すべての橋名板が盗まれてしまっています」

確かにそこに存在するはずの金属の板はなくなっていました。橋名板が盗まれた現場の一つ、磐田市の「中平松橋」。9月3日、地元の自治会長が橋名板がなくなっていると、市に連絡しました。

<磐田市道路河川課 清水康雄さん>
「この部分がベースのプレートになりまして、こちらは橋の欄干に溶接でついているんですけど、この上に橋名板がついていて、ボルトで固定されていた形ですね」

盗難の発覚を受け、磐田市がほかの橋を緊急点検したところ、さらにもう1か所の橋で橋名板2枚が無くなっていることがわかりました。設置費用など含め、被害額は2か所合わせて30万円にのぼります。

<磐田市道路河川課 清水康雄さん>
「橋名板の橋名の名前というのは、当時地元の自治会の人などが相談して決めている名板になりますので、それが無くなったということは残念ですし、できることなら返して頂きたいと思います」

橋名板の盗難被害は磐田市だけではありません。袋井市や掛川市など、これまでに少なくとも13件の被害が確認されています。なぜ橋名板が狙われるのでしょうか。

磐田市にある金属のリサイクル業者は、プレートの素材が狙われる原因ではないかと推測しています。

<野末商店 野末洋介社長>
「(真ちゅう・銅は)1kgで700円くらいですかね。金属の相場は、特に真ちゅうや銅関係は高水準で高止まりしています」

真ちゅうには銅が多く含まれていますが、銅は世界的に生産量が減少していて、その価値が上がっています。相場に照らし合わせると、橋名板は1枚2,000円くらいで売れることになります。

さらに縦15cm横50cmというサイズも、橋名板が狙われる原因ではないかといいます。

<野末商店 野末洋介社長>
「ひとりでも運べてしまうところで、目が向きやすいのかなと思いますね。普通の自家用車や乗用車で運べてしまいますし」

磐田市は警察に被害届を提出するとともに、盗まれた橋名板については新しい材質などを用いた復旧を検討しているということです。

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