【中国】リチウム電池の回収能力、28年に3倍超へ[車両]

中国で電気自動車(EV)などに搭載されるリチウムイオン電池を回収して再利用する取り組みが一層広がりそうだ。「新エネルギー車(NEV)」関連の研究を行うシンクタンクのEVタンクによると、処理能力は2028年に809万3,000トンとなり、現在から3倍以上に伸びる見通しだ。

電池回収を展開する88社を対象に調べた回収処理能力は23年7月時点で248万4,000トン。内訳は再利用が94万2,000トン、回収・分解が154万1,000トンだった。

使用済みリチウムイオン電池の回収を手がける企業は急速に増えており、バッテリーメーカーや電池材料企業、自動車メーカーなどの参入も相次ぐ。企業の拡張計画を元に試算すると、28年には800万トンを超える見通しだ。

一方、22年に回収処理された使用済みリチウムイオン電池は41万5,000トンにとどまった。処理能力の拡張が進む中、実際の回収利用は伸び悩んでいる。ただ、EVタンクは大量の車載電池が再利用段階に入ることで、30年の回収量は602万8,000トンに達すると予測。市場規模は1,000億元(約2兆円)を突破するとみている。

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