水の流れ、自由に感じて 茨城県五浦美術館 13日開幕 間島秀徳さん回顧展

水をテーマに制作を続ける間島秀徳さん=北茨城市大津町

茨城県を代表する現代美術家で、水をテーマにした独創的な絵画で知られる、間島秀徳さん(63)=同県かすみがうら市在住=の作品展「間島秀徳展 天地無常」が13日、同県北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で開幕する。間島さんの初期作品から最新作まで90点を一堂に集めた過去最大級の回顧展で、同館全体を会場に約40年の画業を振り返る。

間島さんは1960年、同県取手市生まれ。東京芸大大学院美術研究科修士課程修了。信州大教育学部教授を経て、2021年から武蔵野美術大日本画学科研究室主任教授を務める。伝統的な日本画の材料にアクリル絵の具など新しい画材を取り入れ、様式や枠を超えた表現を追求。主に個展による発表活動を続け、2000年代からは、ギリシャ語で「運動」「変化」を意味する「Kinesis(キネシス)」と名付けた作品シリーズの制作を続けている。

水の動きを利用して、墨や絵の具を流した痕跡や重なりを生かし、ダイナミックな世界観を生み出した。間島さんは「よみがえってくる記憶があったり、景色を想像したり。自由に感じて感想を聞かせてほしい」と笑顔を見せる。

企画展示室だけでなく、岡倉天心記念室などを含む同館全体を使った壮大な展示も見どころ。「キネシス」シリーズの新作は、直接作品に触れて楽しめるものもある。茨城デスティネーションキャンペーン(DC)に関連し、10月9日に即興の舞踏と音楽のコラボレーション、11月3日には小泉晋弥館長とのクロストークが開かれる。

会期は11月26日まで。月曜、10月10日休館。午前9時半から午後5時(入場は同4時半まで)。

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