大赤字に加え大不振のエヴァートン、アメリカの投資会社に売却へ

写真:不振が続くチームにサポーターの不満は溜まっている

プレミアリーグのエヴァートンが、アメリカのマイアミに本拠を置く投資会社『777パートナーズ』への売却に近づいているという。『BBC』電子版や『スカイスポーツ』電子版など、イギリスの複数のメディアが報じている。

エヴァートンは2016年、モナコに拠点を置くイギリス系イラン人ビジネスマンのファルハド・モリシ氏によって買収された。以来、モリシ氏は7億5000万ポンド(約1377億4600万円)以上を投資してきたが、過去2シーズン連続でかろうじて降格を免れ、今シーズンも第4節終了時点で18位に沈むなど不振が続いているため、一部サポーターは同氏のクラブ所有権に強い不満を抱いている。

また、エヴァートンは5年連続で財政赤字を計上しており、その累積損失は4億3000万ポンド(約789億7210万円)以上。さらに、クラブは現在、新スタジアムの建設を進めているが、その建設費用は昨年、クラブが発表した5億ポンド(約918億730万円)から大幅に増え、7億6000万ポンド(約1395億4720万円)に上る可能性があるという。

こうした状況を受け、エヴァートンは来月にはプレミアリーグのファイナンシャル・フェアプレー規律違反の疑いで独立委員会に提訴される予定となっている。クラブ側は不正行為を否定する構えを見せているが、その一方でモリシ氏はクラブ売却の動きを進めている。

当初はニューヨークに拠点を置くスポーツ系投資グループ『MSPスポーツキャピタル』と交渉を続けていたが、8月に決裂。これを受けて『777パートナーズ』との交渉がスタートし、間もなく合意に達する予定だという。この契約が成立すれば、プレミアリーグ20チームの半数がアメリカ資本になる。

『777パートナーズ』はブラジルのヴァスコ・ダ・ガマやベルギーのスタンダール・リエージュ、ドイツのヘルタ・ベルリン、スペインのセビージャなど様々なクラブに投資しているが、クラブの運営方法を巡ってサポーターから批判を受けることも多いという。

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