正社員の不足7割 長崎県内の企業、人材確保厳しく 長崎商議所と経済研究所が調査

 長崎商工会議所と十八親和銀行系シンクタンクの長崎経済研究所(いずれも長崎市)は、長崎県内企業を対象とした人材確保に関するアンケートの結果をまとめた。7割近くの企業が正社員が「不足」または「やや不足」と回答。新卒採用より中途採用で不足感が強く、人手不足の切迫した状況が浮き彫りになった。
 調査は、同商議所が昨年度新設した人材確保育成特別委員会で現状を把握するため、会員企業を中心に6月に実施。ウェブアンケートを通じて211社が回答した。
 正社員の確保状況は「不足」(23.9%)と「やや不足」(43.1%)を合わせて計67%に達し、「適正」(29.2%)や「やや過剰」(3.8%)を上回った。「過剰」と答えた企業はなかった。一方でパートやアルバイトなど非正社員の確保状況は「適正」が56.7%で過半数だった。
 大卒正社員の採用状況については、新卒採用で「不足」と「やや不足」の合計が41.9%だった。中途採用では計55.5%とさらに不足感が強かった。同研究所は「一定の技術、技能を持つ即戦力を求めているのでは」と指摘し、人手不足が切迫しているとの見方を示した。
 今後の人手不足の見通しを聞くと「変わらない」が46.2%で最多。「やや悪化する」(28.6%)、「非常に悪化する」(13.1%)と合わせると9割近くに上り、厳しい見方の企業が多かった。
 人手不足の職種を複数回答で聞くと「作業員的職種(建設・製造・清掃・包装など)」が最多の40.6%。次いで「販売(営業・商品販売など)」が38.6%、「専門的・技術的職種(デジタル人材を除く)」が36.5%と続いた。
 国や県、市に求める人材確保施策(複数回答)は、「U・Iターン希望者の掘り起こし」(56.8%)、「助成制度の充実」(47.2%)、「地元学生や学校とのマッチング機会の充実」(44.7%)が多く挙がった。

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