西海市が生成AI実証実験 行政専用回線で活用へ 今秋から開始

 長崎県西海市は文章などを自動で作成する生成人工知能(AI)について、自治体間をつなぐ専用回線「総合行政ネットワーク(LGWAN)」での業務活用を目指し、地域商社の西海クリエイティブカンパニー(同市西彼町、宮里賢史社長)と今秋から実証実験を始める。
 業務効率化や市民サービスの向上につなげるのが狙い。同社の生成AIサービス「ばりぐっどくん」を基に独自の生成AIサービスを開発する。同社によると、LGWANに対応した独自の生成AIの導入に向け、実証実験を行うのは県内の自治体では初めて。
 10~12月に、市総合計画や議事録など市が公開しているデータを「ばりぐっどくん」に追加学習させるなど運用環境を整備し、仕様を決定。来年1月から開発に取りかかり、質問項目に対して、精度の高い回答を自動で生成する仕組みを構築する。市では議会の答弁書やあいさつ文などのひな型をつくる作業での活用を想定しているほか、政策の立案にも生かす。
 実証実験はセキュリティーチェックで一定基準を満たした職員らが担当し、個人情報や機密情報に関する質問の入力を制限。終了後に職員らにアンケートし、得られる情報の正確性や業務の効率化が図れるかなどを検証する。ガイドラインを策定し、来年4月の運用開始を予定している。

© 株式会社長崎新聞社