【台風13号】高萩・松岡小、日立・中里小中で授業再開 児童・生徒が笑顔で登校 茨城大雨被害 

高萩市立松岡小の飯沼幸則校長に出迎えられながら登校する児童=高萩市下手綱

台風13号に伴う大雨の影響で、臨時休校が続いていた茨城県北地域にある高萩市市立松岡小と日立市立中里小中は13日、授業を再開した。子どもたちは教職員たちが見守る中、元気よくあいさつし、笑顔で登校。両校の校舎には明るい声が響き渡った。

■「友達に会えてうれしい」 松岡小

高萩市下手綱の市立松岡小(飯沼幸則校長、児童数299人)は近くの関根川が氾濫し、8日夜から9日明け方にかけ、1、2年生の教室や職員室、給食配膳室など校舎1階、体育館に床上約60センチの浸水被害があった。9日から教職員に加えて在校生や卒業生が参加し、12日まで泥水のかき出しや床の消毒など懸命な復旧作業に当たってきた。

13日は午前7時半ごろから児童が登校。出迎えた飯沼校長は「元気だった?」「久しぶり」などと声をかけた。朝の会で各担任が被害状況を説明。水を含み、せり上がった床や流木やごみが残る校庭の鉄棒付近に近づかないよう注意を呼びかけた。

1年生の狩野光咲君(6)は「久しぶりの学校は楽しみだった。友達に会えてうれしい」と笑顔。担任の生田目紗妃教諭(27)は「活気が戻ってよかった。子どもたちの笑顔が見られたのが一番」と喜びをかみしめた。

保護者の尾花知里さん(42)は「子どもは再開を楽しみにしていた。不安はあるが、先生たちの復旧作業に感謝している」と不休で作業に当たった教職員たちをねぎらった。

飯沼校長は「地域の方の協力や学校関係者の助けに感謝の気持ちでいっぱい。今後、子どもたちには危機管理を学ぶ授業も行っていきたい」と話した。

■通学バス、迂回路で 中里小中

日立市の県道36号日立山方線が土砂崩れで通行止めになった影響で、休校していた同市東河内町の市立中里小中(皆川渉校長、児童生徒数70人)も通常授業を再開した。JR日立駅発のスクールバスを利用する児童生徒は、常磐自動車道を活用して市南部を経由する迂回路で通学した。

市西部にある同校は小規模特認校で市内全域から就学。山を挟んだ市街地から通う児童生徒は、日立駅発のスクールバスで通学するが、運行経路の県道36号の通行止めにより11、12両日は臨時休校としていた。

迂回路は同駅出発後、常磐道を日立中央インターチェンジ(IC)から日立南太田ICまで利用し、常陸太田市方面を回って国道349号を使うルート。これまで35~40分だった所要時間は1時間10~15分ほどに増えるといい、出発時間を10分早めた。

13日は29人の児童生徒がバスで通学。皆川校長は「大雨の影響で5日間休みだったが、子どもたちは友達と楽しく話したり、一生懸命勉強をしたりして明るい表情で生活していた」と語った。

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