「毒薬」の麻酔用筋弛緩剤を紛失 成人12人分の致死量 滋賀・守山の総合病院

滋賀県立総合病院(守山市)

 滋賀県立総合病院(守山市)は9月13日、医薬品医療機器法で毒薬に指定されている麻酔用の筋弛緩(しかん)剤の瓶(50ミリグラム入り)4本を紛失したと発表した。

 同病院によると、5日午後1時40分ごろ、薬剤部職員が調剤室の作業台の引き出しから筋弛緩剤を取り出そうとした際、在庫数が出納簿の記載と合わないのに気付き、同部副部長に報告した。

 調剤室には薬剤師が常駐しているため引き出しに鍵をかけておらず、同日午前11時40分ごろに取り出した際は、在庫数は出納簿の通りだったという。

 紛失した筋弛緩剤は成人12人分の致死量に当たる。同病院は、盗難の可能性もあるとして、13日に被害届を滋賀県警守山署に出した。届け出が8日後になったのは、副部長が薬剤部長への報告を怠っていたためという。

 足立壯一病院長は「真摯(しんし)に反省し、二度とこのような事案が起こらないようにしたい」と謝罪した。今後は引き出しの施錠を徹底するとしている。

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