【台風13号】浸水被害1100棟超す 茨城県内 県北2校再開 日立市の男性、災害死

授業が再開した高萩市立松岡小で、校内のせり上がった床に気を付けるよう児童に注意を促す教諭=高萩市下手綱

台風13号に伴う大雨で床上浸水し、休校していた茨城県北地域の2校は13日、授業を再開した。県内の学校は全て通常授業に戻った。孤立状態だった日立市十王町高原の沢平地区は市道の土砂の撤去が進み、緊急車両に限り通行が再開。県災害対策本部は、遺体で発見された日立市の40代男性を災害による死者と認定した。建物の浸水被害は11市町村で1100棟を超えた。中小企業の被害額は7億円達している。

■日立・沢平地区の市道通行可能に

高萩市を流れる関根川の氾濫で校舎や体育館が床上浸水した同市立松岡小は、5日ぶりに児童が元気な姿を見せた。休校していた日立市立中里小中学校も授業を再開。県立北茨城特別支援学校は短縮授業から通常授業に戻った。

日立市の沢平地区は、唯一つながる市道の土砂の撤去が進み、住民と物資搬送の緊急車両に限り通行が可能となった。市は「まだ安全が完全に確保できていない」として、完全復旧に向けた作業を急いでいる。

県災害対策本部は、福島県いわき市沖で11日に遺体が見つかった日立市の40代男性の死因が溺死と判明したことを受け、災害による死者と認定した。今回の大雨による死者は2人目となった。

13日午後6時現在、住宅被害は床上浸水が7市村で481棟、床下浸水が11市町村で532棟に拡大。住宅以外の床上・床下浸水は、高齢者施設が5市村で10棟、障害者施設が2市で4棟となった。

土砂崩れは北茨城市の159件をはじめ、7市町で174件。避難所は北茨城市の1カ所で、6人が避難を続けている。一般道は県道4路線で通行止めとなっている。

■中小企業、被害7億円超

大雨被害を受けた茨城県内の中小企業は13日現在、県北地域を中心に10市113件で、推計被害額は7億1200万円に達した。内訳は高萩市が49件、北茨城市が27件、日立市20件など。県は今後も増えるとみている。

農林水産業では、水稲や大豆で被害が出ている。水産加工施設では冷蔵庫が水没するなど、いずれも北茨城市内で12件になった。

【茨城県内の大雨被害】
死  者    2人
軽  傷    2人
住宅床上浸水481棟
(北茨城259、高萩162、日立51、常陸太田2、ひたちなか2、水戸3、東海2)
住宅床下浸水532棟
土砂崩れ  174件
避難所の避難者 6人

県まとめ13日18時現在

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