北陸新幹線新高岡駅周辺で再び投資の動きが出てきた。コロナ禍で鈍っていた企業マインドが改善に向かっているとみられ、地元不動産業者が新マンションを着工する。来年春の敦賀開業が迫り、地元商業関係者の間では「さらなる投資の呼び水になってほしい」と期待感が広がっている。
マンションを建設するのは不動産管理のハタエンタープライズ(高岡市)。新高岡駅近くの下黒田で来年8月の完成を目指す。
5階建て25室の計画で、新高岡駅から徒歩2、3分と北陸新幹線や城端線の利用がしやすく、同社では単身や2人世帯、ビジネス層の需要を見込み、全室1LDKとする計画だ。
18日の地鎮祭後に着工し、年内にも賃貸入居の募集を始める。施工は宮崎建設(黒部市)。マンション名は「ユーミー下黒田」(仮称)で、全国展開されている「ユーミーマンション」のフランチャイズとなる。
2015年の北陸新幹線開業後、ハタエンタープライズは新高岡駅周辺で東横イン新高岡駅南口(17年)をはじめ、ステーションビューマンション、魚民、トヨタレンタリースなどの開発に関わってきた。畑斉嗣社長は「新マンションで、さらなるにぎわいの創出に貢献したい」と話した。
●路線価トップ維持
かつて市内では、御旅屋セリオなどがある高岡駅前の末広町の地価が県西部で最高価格だったが、新高岡駅周辺の幹線道路沿いにイオンモールや全国チェーンの飲食店進出が相次ぎ、2020年7月の路線価で京田地区がトップとなった。
コロナ禍で地価自体は下落、横ばいながらも今年7月の路線価でも県西部でトップを維持。不動産関係者は「高岡環状線の高架化など開発要素もある」とアフターコロナを見据え、新高岡駅周辺の地価が上昇に転じる可能性があるとみて動向を注視している。